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高校生と武士道

イメージの言語化を図ります。

本気で“例の18歳選挙権の副読本”読んでみた。

最近話題の“例のあの教科書”について

先日、とある青と白が表紙の謎の本が240万人に無料で配布されました。

そしてそれは、もちろん僕のところへもやってきました。

 

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これです。

 

総ページ数104ページ。

駅前で変な宗教団体が配ってそうな感じ漂うこの冊子は、選挙権を新たに得る高校生の主権者教育を目的として文科省総務省が作成したものだそう。

 

僕の学校ではこれが配布された日に学年集会が開かれ、社会科の先生による選挙についての講演があったわけなのですが、すんごいざわついてました。今までにないくらいのざわざわ・ぺちゃくちゃ具合。

 

この日の集会には一生懸命語っていらっしゃる先生を、奇怪そうな目で見つめているやつや、「将来この国がどうなろうが俺は全く興味がない!」と豪語するやつなど様々。

副読本じゃなく単語帳を手に取り、勉強しているやつもちらほらおりました。

 

このときの僕は、校外で自主的に政治教育のボランティアをしているんですからさぞかし熱心に先生のお話を聞いていたんでしょうねえ?、と言われるかもしれませんが、

 

ガンガン隣の友達と私語してました。

先生すみません。雰囲気に負けてしまいました。

 

 

 

しかし!

僕の優秀なところ()は、あらためて今からこの教材を大真面目に読もうとしているというところなのです!!

 

皆がそっぽを向いて、読むことから逃げ出したこの鉄壁の本を読むという、チャレンジングなことを今から僕はしようとしているのです。。。

 

この僕の危険なアドベンチャーから何か学ぶものがありましたら幸いです。

 

それでは。

 

恐怖の入り口 ~「初めに」という名のモンスター~

目次の次をめくったページがこちら。

 

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長すぎる…文科省の役人さんたちの思いが強すぎる…

多くの高校生はこの「はじめに」で、大人と自分たちのテンションの差を思い知らされます。

 

そしてその内容は…?

今まで受け継がれてきた蓄積や先人の取り組みや知恵といったものを踏まえ、自分たちが暮らしている地域の在り方や日本・世界について調べ、考え、話し合うことによって、国家・社会の形成者として現在から未来を担っていくという公共の精神をはぐくみ、行動につなげていくことを目的としたものです。

ー本書の願いは、ー より抜粋

 

 

これは 話が壮大過ぎてついていけない…!

 

いや!やり始めたRPGのプロローグなら許せる!だって、自分が進んでいく未来には平和を脅かす魔王の存在とともに、自分がそれを華々しく華麗に倒し世界的な英雄になれる、というのが見えてるから!!

 

国家の形成者とか言われたら、すんげえ喜んじゃう!!

 

でも現実世界では、結局はかみっぺら一枚に何を書くかってことに過ぎないわけですよね(現段階では)。

投票って一票じゃ力も弱いし、なんてった地味。

 

「俺が投票に行こうが行かまいが、この国に何ら変化はない!!」という意見が大半である以上、この表現を使うには無理があると思います。

 

“若者の政治への意識”について大人はどう受け止めたのか?

ちなみにこのような若者の意識についても、記述があります。

ある調査によると「私個人の力では、政府の決定に影響を与えられない 」という考え方について、日本の高校生の80.7%が「全くそう思う」もしくは「そう思う」と答えています。この調査は韓国(55.2%)、中国(43.8%)、米国(42.9%)の回答と比べ、高い割合となっています。

ーもうひとつ、質問です。ー より抜粋

 

なるほど。政治のお上意識については、しっかり統計が取られて根拠はしっかりとしているようだ。

さてこれに関して、文科省はどう答えているかというと

 

この問い(「社会や政治問題への参加についてどう思うか」)について 「参加すべきだ」「参加したほうが良い」と答えた高校生は72.2%います。この割合は他国と比べてもそれほど低くはありません。

 

(中略)

 

日本の7割を超える高校生が「社会や政治問題へ参加すべきだ・参加したほうが良い」と考えている中、今回の選挙権年齢の満18歳以上の引き下げにより、そのような皆さんの思いと制度が近づいたといえます。

 

 こうきました。このパーセンテージは見てみて少し驚きました。

こういうデータがあるなら、選挙権引き下げもおかしくはないと思われます。

 

でもね…。

ここは僕の推論になってしまうのですが、こういう「社会に参加すべきだ」とか「今の政治について知っているべきである」とかっていう意見は、現実逃避していた問題に突然ぶつけられたときにおこる “心配” からくるものだと思うんです。

 

 

たとえば英語。

ついこの前まで普通にわかっていたはずの授業が、最近になって全然わからなくなってきた!!まずい!先生の言ってる意味が分からない!どうしよう!

でも、友達も最近英語難しいよねって言ってたし、大丈夫だよね。まあいつかは理解できるようになるでしょ!!

という感じ。

 

 

 

 

 

政治参加についてもそう。

ニュースでよく聞く「TPP」って何が問題なのか全然わかんない。すんごい日本は荒れてて、なんかいろんな人たちが怒ったり、叫んだりしているらしいけれど、なんでなのかしら。

まあでもいずれ大人になって働くようになったらわかるんだろうな。大丈夫でしょ。

 

 

つまり!!

僕らは今知っといたほうがいいとはわかってるけれど、時間が解決してくれると思って、問題理解を先延ばしにして妥協してるってこと。

社会・政治参加についてもそう。

何かしらやったほうがいいとは思うけれども、別に自分が動いたところで何も変わらないし、いずれだれかセンスのある人が問題を解決してくれるんだろうなあ、と人任せにしてるということ。

 

要は僕らは「社会・政治活動はしたほうがいい」と思ってるけど、「自分の力が政府の決定を変えるとは思わない」から、誰かに問題を解決してるのをただ待ってるだけという状態なんです。

 

そんな僕らに、一発目で

『君たちは国家・社会の形成者です!!!』

『あるべき自分の姿を探求し、社会参画につなげていってください!!』

とか言われても、僕らはポカーンとしてしまうんです。

 

張り巡らされたバリケード ~選挙活動の禁止~

100ページ超の本のくせに最初の2ページに思わぬ苦戦を強いられました。

良くも悪くも中身が濃いものになっていそうです!!期待と恐怖を抱きながらページを進めます。

 

さて僕が次に気になったのは12.13ページ。

 

 

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どどーんとイラスト!そして大きなバッテン!!

 なんか怖い!!絵柄も変だし!!

 

てかここのページだけおかしい!!

大体のページはグラフやら表やらでぎっしり解説のくせに、ここだけ交通標識みたい!!

 

クマ出没注意!

に近い!!

 

ここまで強調する必要あるのか!?!?

(参考までにこの本の大部分はこんな感じ↓)

 

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こういう大きいバッテンとかって結構イメージに与える影響大きいと思うんです。

あたかもチラシ配りをする人が間違ってる・気持ち悪いみたいな印象を与えかねません。(実際学校でチラシ配ってる奴いたらドン引きするけども)

 

 印象として、投票に入ってほしいけれど、がつがつとした政治活動はしないでほしい!みたいなものを感じました。

 

確かにそれが妥当なんだけれど、海外に合わせたという理由があるのならば、スウェーデンやアメリカなどの先進的な政治教育も取り込もうとはしてくれないのかね…?

 

生徒会への期待感

最後の『参考編』にてこんな記述が。

 

Q 若者の投票率が低いので、生徒会で選挙に関心を持ってもらうための啓発活動を校内で実施しようと思います。注意する点を教えてください。 

 

へえー、とちょっと驚きました。

自分も高校で生徒会執行部に所属していますが、政治やらニュースやら、ひいては世界史の授業を面白いと感じるようになったきっかけの一つになっています。

そして現在では「全国高校生徒会大会」をはじめとして、全国的に生徒会活動が活発化してきているように感じます。ここから始まる政治教育というものの形がどのようになていくのかは、かなり面白そうです。

 

最後に

さんざんいろんなことに難癖をつけてきましたが、僕としては非常に勉強になる内容でした。とくにQ&A欄が面白い内容で、「野球部の練習の帰りに投票行きたいのですが、金属バットは持ち込み禁止でしょうか?」などユニークなものが多かったです。

全体として高校生の読む気をそぐような書き方・構成になっていますが、我慢して読んでるとだんだん慣れてきます。

 

一回自分の目で読み、投票について考えてみることをお勧めします。